今回は、左利きである小生が、「そうそう!」「あるある!」「わかる、その通り!」と頷きながら読んだ本について話していきたいと思います。
結論を先に
まずお伝えしたいのは、「世の中のすべての左利きの人にとにかく読んで欲しい本である」という事です。
「右利き優位社会」の中で生きている左利きの皆さんに必ず共感していただける内容だと思いますし、
「10人に1人」という少数派として生まれて来た皆さんの、これまでの苦労や疑問点が払拭される(とても前向きになる)事間違い無しです。
それでは、いってみましょう!
10人に1人の存在
現在、地球上にいる人類の90%が右利きだと言われています。
この数字は、太古の昔から変わっていないそうです。不思議ですね。
はっきりと解明されてはいない様ですが、理由は諸説あり、「心臓(急所)が左側にあり、それを守るために右手で戦った」や「言葉によるコミュニケーションが必要となり、左脳が発達した」等々。
つまり、生きていく上では右利きの方が有利だという事がわかりますね。
じゃあ何故、10人に1人の確率で左利きが生まれてくるのか?
遺伝子の影響
一番最初に左利きが生まれて来た理由はわかりませんが、個人的に興味深いのが「遺伝子の影響」です。
これはデータが取れていて、左利きが生まれる確率は
- 両親が右利きの場合: 9.5%
- 片親が左利きの場合:19.5%
- 両親が左利きの場合:26.1%
となっています。
遺伝ってすごいですね。
ちなみに、これは人間だけではなく、脊椎動物(カエル・鶏・魚等)のほとんどが同じデータを示すそうです。
「右利き」・「左利き」って必要なの?
そもそもの疑問として、「両利き」でよくね?があると思います。
これに対してはしっかり答えが出ていて、
例えば、転びそうになったり何かに襲われそうになったりという危機的な状況に陥った時に、とっさに右手でかばうなど優先順位が決まっていると、無駄な動きが減って危険を回避する確率が高まります。
右手を出すべきか?それとも左手か?と迷う時間が生死を分ける。
つまり、「右利き・左利き」が決まっていると処理速度が速くなるわけですね。
日常の動作でも、あらかじめ左右で機能を分担させておく事によって、脳はいちいち指令を出さなくて済むのです。
こうやって進化して来た上で、90%が「右利き」であると言う事からも、『世の中は「右利き」の方が圧倒的に有利に出来ている。』と言えると思います。
左利きのデメリット
話の流れから、左利きの人が日常感じている「?」を紹介します。
まず代表的なのが、「駅の改札」ですね。必ず右側にある。
同じ様に「エレベーターのボタン」も右側。
車は今やほぼオートマチック車ですが、小生が免許を取得した頃はマニュアル車が主流だったので、右手でのハンドル操作には違和感がありました。
道具では、「スープ用のお玉」や「お茶の急須」などはもう、左手で持つと脳が混乱します(笑)。
右利きの人が文字を書く時って、線を左から右へ引き(引っ張り)ながら書きますよね。
でも左手で書く時は、線を左から右へ押す動作になるんです。
この力加減を間違うと、紙に引っ掛かってシャーペンの芯が折れまくります(笑)。
ずっと逆境で生きている左利き
今紹介したものはほんの一部です。
こんなの、右利きの人は考えた事もないでしょう。
そりゃそうですよね。
考える必要性が無いですもんね。
でも、左利きの人は今までもこれからも、常にこういったことと向き合いながら生きていくんです。
優しくしてあげて下さいね(笑)。
恐るべし順応性
冗談はさておき、ここからは左利きが活躍するターンです。
先述の道具について付け足しますが、「ハサミ」についてです。
これも右利きの人は普通に使えていると思いますが、左利きの子供にとっては最初の難関と言っても良いのでは無いでしょうか。
小生自身、最初は全く切れなかった記憶があります。
でも、いつの間にかコツ(親指と人差し指の微妙な力加減)を掴み、気付いたら左手でも違和感無く上手に切れる様になっていました。
ちなみに、現在は左利き用のハサミがちゃんと売っています。
この様に、右利きの人ならどうってこと無い動作や作業に対して、常に創意工夫が必要なのが左利きなんです。
余談ですが小生、左利き用のハサミを(大いに期待して)買って、当然左手で使ってみたのですが、なんとも非常に使いづらくて仕方ないので、結局今も左手で右利き用を使っています。
最初は辛くても、自分でなんとかして順応してしまうのが左利きのすごいところです。
すごい顔ぶれ
さて、ここで左利きの著名人を紹介します。
まずは歴史的な偉人から
- アインシュタイン
- エジソン
- ダーウィン
- モーツァルト
- レオナルド・ダ・ヴィンチ
- ピカソ
そして
- ビル・ゲイツ
- ジョージ・ブッシュ元大統領
- ビル・クリントン元大統領
- バラク・オバマ元大統領
この辺りが有名どころでしょうかね。
もちろん、右利きでもっとすごい人もいっぱいいますよね。
ま、今回は左利きのお話なのでご勘弁を。
天才or変人
今あげた方々も含め、「左利きには天才が多い」や「天才と変人は紙一重」という考え方がありますよね。
これに関してはここまでの内容がほぼ答えで、
要するに、左利きの人は生まれた時から課題を抱えていて、それを解決するために常に脳を稼働させている。
「快適に生きていくためにはどうすれば良い?」
「こうしたらどうなるだろう?」
「どうすれば上手くいくだろう?」
という様に、無意識にトライ&エラーを繰り返している。
と言う事ですね。
その結果、自然に直感力や独創性が磨かれていくのだと思います。
左脳と右脳
右利きと左利きを比べるときに良く言われるのが、「左右の脳の使い方」ですよね。
それではここからは、それぞれの脳の働きや特徴について見ていきます。
まずは、右利きの人がいつも使っている「左脳」から。
- 具体的に実行する
- 自己感情を生み出す
- 言葉を生み出す
- 言葉で理解する
- 言葉を記憶する
- 計算をする
- 論理的・分析的思考
- 言葉で情報をインプットする
非常に賢そうな感じがしますよね。
そして、左利きの人がいつも使っている「右脳」はと言うと、
- やる気を生み出す
- 他人の感情を読み取る
- 周囲に注意を向ける
- 人の様子を記憶する
- 言葉がなくても理解できる
- 物の形や色・音など、五感に密接に関わる(直感力)
- ひらめきに優れている(創造力)
- 目で見た情報をイメージで記憶する
- 全体をイメージとして捉える
- 物事を俯瞰的に見ることができる
など、とてもクリエイティブな感じがしますね。
すごいぞ!左利き
さあ、左右の脳の働き・特徴を見て来ました。
右利きの人は左脳、左利きの人は右脳が発達していると言う事は理解出来ましたね?
ここで特筆すべきは、
右利きの人は「左脳のみが発達している」が、
左利きの人は「左右の脳両方がほぼ等しく発達している」と言う事。
なぜなら、「人間のコミュニケーション手段は言葉である」からです。
生まれた時点では、右利きの赤ちゃんは「左脳」、左利きの赤ちゃんは「右脳」を使って育っていきますが、人間はある時点で言葉を覚え始めます。
その時、右利きの子はそのまま「左脳」を使い学習していきますが、左利きの子はここで初めて「左脳」を使い始めます。
あ、ここで左利きの子を持つ親御さんに朗報ですが、もし、お子さんが言葉を覚えるスピードが他の子より遅れていても、こういった理由から全く心配はいらないそうです。
しかたないんです。初めて使い出すんだもの。
そのかわり左利きの子は、後からの追い上げのスピードがハンパないらしいです。
左利きの脳は左右均等
話を戻しますね。
つまり、人間でいる限り言葉を使って生きているので、左利きの人は常に両方の脳を働かせていると言う事です。
実際に、MRIで撮影した脳の画像(発達領域が黒く見える)を比較してみると、右利きの人の脳は黒い部分が左脳のみにしか無いのに対し、左利きの人の脳は左右均等に黒く見えます(本紙には画像添付あり)。
この、「両方の脳が発達している」と言う事が重要で、左利きの人は認知症になりにくいとも言われているそうです。
ほんと、すごいですね〜
手を動かすことで脳は発達する
ここで、右利きの方にも朗報です。
今からでも積極的に左手を使う様にすれば、普段稼働させていない右脳を発達させることが出来るそうです。
ぜひ、挑戦してみて下さい。
直感力と創造力
さらに左利きを持ち上げますが、もうしばらくお付き合い下さい(笑)。
左利きの人は、日常生活を送っているうちに無意識に「直感力」と「創造力」が磨かれていきます。
まず「直感力」とは、
言い換えれば、「一瞬で効率の良い方を選択する力」と言ったところでしょうか。
例えば、右にあるものは右手で取る、左にあるものは左手で取る(無意識)。
おそらく右利きの人はどちらの場合も右手が出ますよね?
あとは、ドライバーでネジを締めたり緩めたりする時や、ドアノブやガスの元栓を回す時等も、方向によって両手を使い分けます。
これも当然無意識です。
そして「創造力」に関しては、
「人は不自由な環境にあるほど創意工夫をし、高い能力を発揮する」と言う事がわかっていて、
今さら言うまでも無いですが、
生まれた時から不自由を強いられて生きている左利きの人は、何かを生み出す能力が自然に磨かれていると言う事です。
まとめ
ここまで随分と左利きびいきで話して来ましたが、そろそろまとめますね。
世の中には、9割の右利きの人がいて、1割の左利きの人がいます。
そして、ここまで述べて来た通り、左利きの人は違和感を感じて生きています。
でも、これはそもそも脳の仕組みから違っていて、そうなると当然脳体験も違う。
つまり、視点が全く違って来ますよね。
この本の著者の言葉を参考にして、最後に締めたいと思います。
「右利きと左利きにはそれぞれ得意分野がある。お互いにそれを踏まえ、補い合って物事に取り組めば、どちらも思う存分才能を発揮出来る環境を作る事が出来ます。」
平和で幸せな、より良い社会を作っていきましょう!
と言うお話でした。
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